構造化面接について調べた
今日明日で構造化面接をテーマに話す機会があるので調べた。
構造化面接ってなんだ
Google re:Workの採用に関するページに構造化面接について書かれていた。 Googleでは構造化面接を採用し、すべての応募者に同じ質問をして、同じ尺度で回答を採点し、事前に決められた一貫した採用要件に基づいて採用を決定しているとサイトには書かれている。
心理学の研究や臨床の現場で活用される面接法を採用プロセスに活用している良い事例だと思った。 あいまいな人間の心理を評価するには、色々な心理測定法がある。例えば「観察法」や「面接法」や「質問紙調査」などがあり、詳細な解説は書籍や論文を読むのが良いと思うけどメモとして残しておく。他にも色々な測定法あるけど今回は3つだけ。
心理測定法
- 観察法
- 対象の様子を観察して、行動や反応を見て評価する
- 面接法
- いわゆる採用面接などで活用されている方法、1対1だったり、集団面接だったり形式は色々
- 対象と会話をしたり、お互い質問をして評価を行う
- あらかじめ決められた尺度や手順を元に評価を行っていくのが構造化面接
- 構造化とは反対に非構造化面接がある。オープンな質問を投げかけたりする感じ
- 質問紙調査
- 心理テストとかで使われる
- 5段階評価だったり、自由記述だったりする。数量化して統計分析したりする
数量化に関しては質問紙調査だけでなく、どの測定法に関しても、面接の受け答えに関して面接官がスコアリングしたりすることで数量化することはできる。
面接での活用に向けて
組織によって採用したい人材要件が違うと思うので、要件によって測りたい概念は変わってくると思う。 概念を何個か決定し、それを評価できる具体的な尺度・軸を持って面接に活用していくと良い。
Googleのre:Workに 水中用籠編み職人を面接する場合の評価基準例
があったけど、材料の使い方
、デザイン性
、技量
の3つに対して、悪い・普通・良い・非常に良い
で評価した例が載っている。
籠編みテクニカルスキル
みたいな軸や概念に関してはこの3つの項目で、4段階とかで評価するのは良いと思うし、テクニカルスキルしか見ません!っていう組織だったら、これで評価すればいいかもしれない。
ただ、他にも コミュニケーションスキル
みたいな概念を見たいといった場合は、その概念が説明できると考えられる項目、例えば 論理的思考力
、文章表現力
などに対しても4段階で評価する必要があると思う。
どうやって測定すべき概念を決めるのか?
採用活動にあたって、既に人材要件から評価すべき軸みたいなのが決まっている事が多そうだけど、今まで行ってきた面接の振り返りや組織や世界における理想の〇〇(例えばエンジニア)像みたいなところから概念を決めていくと良いかもしれない。
心理学の研究で使われているような評価(心理)尺度を作ったりする事は可能だと思うけど、変化が激しい業界や組織においては、一度作ったら終わりではなく、常に評価すべき概念と項目についてはアップデートしていかないと、今測りたいものが測れなくなると思った。
構造化面接の活用に向けて
個人的に考えたものを事前準備と事後評価で分けてメモしておく。
事前準備
- 採用のプロセスにおいて評価基準のための軸(概念)を決める
- 概念を説明するための具体的な項目を決める
- すでに面接のノウハウがある組織は既存の項目を見直して、面接官同士で話すのも良いかもしれない
- 評価のためのデータを集めるための方法を考える
- 現状「面接」がベースにあって、質問紙や観察などを併用して評価しているのが多い印象
- 測りたい概念に合わせてアレンジする
- 面接担当者が複数いる場合は事前講習などをおこなっておく
事後評価
- 概念と評価項目の妥当性確認
- 面接官同士で振り返ったりすると良いかもしれない
- 〇〇スキル に関しては、本当にこの項目で測れてる?とか議論すると良いかも
- 非構造化的なアプローチに関しては、面接官同士で共有していくと良さそう
最後に
構造化面接を実施するにあたって、測定したい概念とそれを説明する項目を事前に決めておいて、決められた手順だったり、事前準備をおこなうことで、面接官の間での評価に対するブレを減らしたり、本当に知りたい事に近づけるようになると思う。
面接官と面接を受ける人とのマッチングや、その周りの環境の影響で毎回同じように同じ手順で上手くいくかというと、そうでもない気がするので、非構造化的なアプローチも合わせて活用していくことも大事なのかなと思いました。